カカオ豆の健康効果と栄養素についてくわしくを解説

カカオ豆の健康効果と栄養素についてくわしくを解説

食品成分への関心が高まるなか、注目されているのがポリフェノールです。動脈硬化の予防や活性酸素の抑制など、多彩な機能が研究で明らかにされてきました。

チョコレートの原料であるカカオの豆にも豊富に含まれています。自然食品からの摂取は難しいものの、素材を丸ごと使えるカカオ豆なら効率よく摂取可能です。

カカオは豊富な栄養素を持つスーパーフードであり、健康のために取り入れたい方も多いでしょう。本記事では、中立的な視点からカカオの健康効果や栄養素、注意点を解説します。

カカオ豆に関する基礎知識とココアとの明確な違いについて

カカオ豆に関する基礎知識とココアとの明確な違いについて

カカオ豆は古くから重宝されてきた歴史がありますが、ココアとは明確な違いがあります。まずはその特徴を整理しましょう。

熱帯地域で育つカカオ豆の歴史と特徴

カカオは、選び方や摂取方法によって健康効果が期待される食品です。カカオとは、熱帯地域を原産とする常緑樹「テオブロマ・カカオ」の種子を指します。

カカオの木は降水量の多い熱帯地域で栽培されており、その種子にはポリフェノールや食物繊維、ミネラルなどが含まれています。また、カカオは古くから利用されてきた歴史があり、中南米では貨幣や飲料の原料として用いられていました。

加工の手順がもたらすカカオとココアの栄養価の違い

カカオとココアは混同されがちですが別物です。カカオはカカオ豆そのものや製品を指します。

ココアは、カカオ豆を焙煎・粉砕して脂肪分を一部除いた粉末のことです。加工過程の違いにより栄養価に大きな差が生じます。

除去される脂肪分には脂溶性ビタミンやポリフェノールも含まれるため、栄養価はカカオの方が高いと言えるでしょう。素材を丸ごと使えるカカオ豆は、効率よく成分を摂取できます。

カカオ豆に含まれるポリフェノールが持つ特徴と健康効果

カカオ豆に含まれるポリフェノールが持つ特徴と健康効果

カカオ豆に含まれるカカオポリフェノールには、強い抗酸化作用があり、体に対して多様な健康効果が期待されています。

強力な抗酸化作用による活性酸素の抑制

カカオの健康効果は含まれる成分により多岐にわたります。カカオポリフェノールはカカオ豆の苦みや渋みの成分です。強力な抗酸化作用を持ち、増えすぎると悪影響を与える活性酸素を抑えて体を守る働きが期待されています。

高カカオチョコレートなど、適度に取り入れることで良い効果が期待できるでしょう。

血管を広げる働きによる血圧へのアプローチ

カカオポリフェノールには、高めの血圧を穏やかにする効果が期待されています。血管が詰まり細くなることで血圧は上昇しますが、血管を広げる作用が期待できるとわかりました。

小腸から吸収されたあと血管の炎症を軽減させ、血流を良くすることで血圧を低下させる効果が見込めるのです。血圧が高めの人ほどこの作用が大きく表れることが証明されています。

悪玉コレステロールの酸化を防ぐ生活習慣病の予防

カカオポリフェノールの抗酸化作用は、活性酸素を抑制してコレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化や心臓病などの生活習慣病予防に役立ちます。動脈硬化は、悪玉コレステロールが酸化して蓄積し、血管が固くなってしまう症状です。

酸化を防ぐため、予防効果が期待されています。高血圧や高血糖が原因とされる心臓病の予防にも有効です。

活性酸素のトラブルから肌を守る美容へのアプローチ

活性酸素は、しみやしわ、たるみなどの肌の老化に影響しています。肌は年齢とともに老化していくものです。カカオポリフェノールの作用は細胞の若返りを促し、活性酸素が引き起こすトラブルを防ぐことで、肌の健康維持や美容効果が期待されています。

若々しい肌を保つためには外側からのケアだけでなく、食事を通して体の内側からケアすることが重要と言えます。

過剰に生成される因子を抑えるアレルギーへの作用

アレルギーの発症には過剰に作られる活性酸素が関わっています。カカオポリフェノールは、この活性酸素を生み出すさまざまな因子の働きを抑制することが報告されてきました。

体内で過剰な因子が働くのを抑えることにより、アレルギー症状の改善につながる働きが期待されています。

脳由来神経栄養因子に働きかける脳の活性化

脳は加齢とともに記憶や学習などの認知機能が低下します。カカオポリフェノールは、脳の栄養といわれるBDNFに働きかけ、認知機能を高められる可能性があります。

加齢によってBDNFが減少してしまいますが、カカオポリフェノールを摂取することで脳の血流量を増やすことが可能です。そのため、認知機能を引き上げる可能性があり、脳の活性化への期待が寄せられています。

難消化性タンパク質であるカカオプロテインの整腸作用

カカオ豆には、お腹の環境にアプローチするカカオプロテインも含まれています。その特徴と期待される整腸作用について解説します。

小腸で消化されずに大腸へと届くメカニズム

カカオに豊富に含まれているカカオプロテインは、難消化性の性質をもつタンパク質のひとつです。小腸で消化吸収されず、大腸に届くという特徴を持っています。大腸に届くことで、便の基材となってかさを増すことができる仕組みです。

便のかさ増しと腸内細菌のえさになることによる便通改善

便通をよくする方法には、便のかさを増すことと腸内環境を整えることがあげられます。カカオプロテインの難消化性には、便のかさ増し効果と整腸作用による便通改善効果が期待されているのです。

大腸に届いたプロテインは腸内細菌のエサになり、善玉菌を増やすことで整腸作用を及ぼします。便秘気味でお悩みの方にも適しているでしょう。

カカオ豆特有の苦み成分であるテオブロミンがもたらす作用

カカオ豆特有の苦み成分であるテオブロミンがもたらす作用

カカオ豆には、他の植物にはほとんど含まれないテオブロミンという特有の成分もあります。その穏やかな作用を見ていきましょう。

集中力の向上と血流量の増加にともなう体温の上昇

テオブロミンはカフェインと同じキサンチン誘導体のひとつですが、カカオ豆以外にはほとんど含まれていない苦み成分です。集中力を高める効果や、血管を広げて血流量を上げて体温を上昇させる効果などがあります。

セロトニンへの働きかけによる食欲抑制とリラックス効果

また、テオブロミンは脳内物質のセロトニンに働きかけて、食欲の抑制やリラックス効果をもたらすなど、さまざまな効果が期待されている成分です。カフェインのような急激な覚醒効果ではなく、集中力向上やリラックス効果という、より穏やかな効果をもたらしてくれるでしょう。

日常的にカカオを取り入れる方法と注意点

日常的にカカオを取り入れる方法と注意点

カカオの栄養価を効率よく、安全に日々の生活へ取り入れるためには、選び方や量に関する注意点を守ることが大切となります。

加工度が低くカカオ含有量が高い製品の選び方

カカオの栄養価を効率的に摂取するには、加工度が低くカカオ含有量の高い製品を選ぶことがポイントです。カカオはカカオパウダーや高カカオチョコレートなど、さまざまな形で出回っています。

メーカーや原産地、製造方法の違いで味が異なるため、自分の舌に合ったものを選ぶことが重要です。

脂質やカフェインに似た成分によるリスクと摂取量の目安

カカオは脂質も多く含まれるため、過剰摂取はカロリーオーバーに繋がりやすいです。また、テオブロミンなどカフェインに似た作用をもつ成分も含まれているため注意が必要となります。

人によっては胃腸の不調や不眠などのリスクもあるため、1日200kcalを超えないよう少量を1日数回に分けて食べるのが望ましいでしょう。

まとめ

カカオ豆の健康効果と栄養素まとめ

カカオは多岐にわたる栄養素と健康効果をもった食べ物です。カカオポリフェノールによる抗酸化作用は生活習慣病予防や心臓血管の健康維持、血圧低下作用、肌の老化を防ぐ美容効果、アレルギーの改善、脳の活性化などが期待できます。

カカオプロテインによる便通改善や、テオブロミンによる集中力向上、リラックス効果も見込めるでしょう。適切に取り入れることで、健康と美容の両面から良い効果が得られます。

ただし過剰摂取はカロリーオーバーに繋がりやすいため、1日200kcalを超えないよう少量を1日数回に分けて食べるのが望ましいです。バランスの良い食事や睡眠にプラスして適切にカカオを摂取し、充実した生活を送りましょう。